ひまわり


昔は長く感じた道程が
今は短く感じてしまっている
どこまでも続く不思議な世界
息をする暇もなかった楽園

虫眼鏡を引き出しから出して
なにもかも見透かそうと思っていた
ただ無垢な気持ちのままに

どっかに置いてきたのだろう
あの日の潮の香り
どっかに置いてきたのだろう
あの日の草の香り
思い出の中にあるひまわり
あの日の黄色の花

数ある幼き思い出たちが
渡り歩いては足跡を残していく
どこまでも続く不思議な感覚
生きてきた証になる感覚

網を湖からすくい出して
なにもかも取り除こうと思っていた
ただ無垢な気持ちのままに

どっかに置いてきたのだろう
あの日の潮の香り
どっかに置いてきたのだろう
あの日の草の香り
思い出のなかにあったバケツ
あの日の冷たい水

今はもう遠いノスタルジアの世界へようこそ
いつまであの時のままの僕でいたかったのにな

近くの雑木林に入って
多くの生き物をその虫眼鏡でみてきた
ただ無垢な気持ちのままに

今は超高層ビルの間を
周りを気にせずに急ぎ足ですり抜けていく
ただ無心の気持ちのままに

どっかに置いてきたのだろう
あの日の潮の香り
どっかに置いてきたのだろう
あの日の草の香り
思い出の中にあるひまわり
あの日の黄色の花





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